アメリカに来て、はや1カ月が過ぎようとしています。学科の皆さんお元気でしょうか。そろそろこちらの生活にも慣れてきましたので、学科のこの電子掲示板を利用して、「つれづれなるままに」アメリカの様子などをレポートしてみたいと思います。というのは、せっかくこのような電子掲示板や電子メールという便利なものがあるのに、琉球大学の電気系学科では有効に利用されていないと思うからです。このレポートが、学科の電子掲示板の有効利用のために少しでも役に立てばと思います。ということで、最初の話題は、こちらの大学の電子メール、電子掲示板のことになりますが、その前に私がどこにいるかを書く必要があります。
私のいるピッツバーグは、アメリカ東部の最西部、シカゴとニューヨークの中間部、エリー湖の南にあります。以前は鉄鋼の街として有名で、特に第2次大戦中は、この街だけで、日本とドイツの鉄鋼生産高を上回るだけの鉄鋼を生産していたようです。しかし現在は、鉄鋼工場はほとんど見られず、この20年で人口も30%減少しており、現在人口は、ピッツバーグ市が37万人で全米40位、ピッツバーグ都市圏で224万人となっています。70年代からは、ハイテクと大学の街に生まれ変わり、アメリカの中では住みよい街として、1985年に、The Most livable Cityに選ばれています。
ピッツバーグには2つの中心地があります。官庁オフィス街としてのDowntownそして文化施設の多いOaklandです。Oaklandには私のいるCarnegie Mellon University (CMU) のほかに州立大学のThe University of Pittsburghがあり、こちらの医学部は、ポリオワクチンの発見、最近は臓器移植で有名で、多くの日本人医師がここに留学しています。また、世界でも有数の恐竜の骨の収集施設であるCarnegie博物館はじめ、多くの寺院と病院もここにあります。
CMUは、工業家Andrew Carnegieにより1900年にCarnegie工業学校として創設され、20年後大学となり、1967年にMellon研究所と合併して現在のCarnegie Mellon Universityに至っています。CMUは以下の4つの学部と3つの大学院から成っています。
Carnegie Institute of Technology(工学部)
芸術学部
人文社会学部
Mellon College of Science(理学部)
工業管理大学院
計算機科学大学院
都市公共経営大学院
学生数は学部学生4200名、大学院生2500名であり、総数は琉球大学とそう変わりませんが、大学院生が多いのが目立ちます。また外国人が多く、黒人がすくないことが特徴的です。
私は、計算機科学大学院に関係の深いロボット研究所(The Robotics Institute)に所属しています。計算機科学大学院は、学部を持たない独立大学院で、修士課程もなく、学生はすべて博士課程の学生です。学生は全員奨学金を得ており、企業から派遣されている人を除いて、その奨学金は研究室の教授が研究費から支払っているのだそうです。ただし、教授の研究費は大学からはほとんど出ず、大部分が学外からの奨学寄付金だそうです。この話はいずれ整理してまた書きたいと思います。
私のhostはReddy教授で、彼はロボット研究所の所長ですので、私は、ほとんど顔を会わせることがなく、通常は、工学部の電気情報工学科のStern准教授とディスカッションをしています。
前置きがかなり長くなりましたが、このあと、CMUの計算機環境、ネットワークなど、またアメリカと日本の生活文化の違いなどを、私の主観などを交えながら書いて行きたいと思います。
