こちらピッツバーグでは、昨日から雪が降り、気温も-10度Cを記録して寒くなっています。今日は、路面が滑って車でも危険なので、大学に行くのをやめて、家からパソコンを使って仕事をしました。ビールを屋外に出して冷やしてのみました。

2カ月ぶりのCMUreportとなりました。忙しく、なかなかこれを書く時間がとれませんので、今回は、私が書いたメールの中から、質問を受けてそれに答えたものや、フロリダの国際会議に行ったときの話を選び、それらを転載することでreportに代えたいと思います。その内容は、いずれCMUreportに書こうと思っていたものです。

<11月12日>

>そちらの大学の計算機の管理はどうなっているのですか。学生が使う端末など,興味があるので,教えてください.

一般の学生は、reportにも書きましたように、クラスターと呼ばれる端末室で利用するのが多いと思います。クラスターには数十台のワークステーションと、場所によってはMacやIBMPCが置かれています。電話回線を利用して家から使用している人も多いかも知れません。次回の報告に書こうと思っていたのですが、なにしろ電話料金が安いです。市内電話は時間制でなく、かけた回数だけに課金されます。私など、毎日パソコンをつないでいますが、それでも基本料金の$12.50/月です。計算機の管理は、すべて分散しているので気になるところですが、ソフトウエアのインストールなどは、通信回線を介してやっているようです。時々ダウンしたときの再立ち上げ程度は、その計算機を管理する大学院生がやっているようです。メインフレームもあるようで、その管理は非常にきびしいです。詳しいことはまだ分かりませんが、おいおい調べてみたいと思います。

<12月23日>

フロリダから戻りました。

エキスパートシステムの国際会議に参加し、エキスパートシステムで有名なFeigenbaum教授やファジーで有名なZadeh教授の顔を見ることができました。Faigenbaum教授がCMUの出身であることを知り、あらためてCMUを見直しました。ファジーに関しては、エキスパートシステムへの応用が主題でしたが、日本における盛んな制御への応用も話題にあがっていました。この半年ほどドイツでもファジーブームが起こりつつあるようです。ファジーの学術的価値評価については聞くことができませんでした。

ケネディー宇宙センターの見学会では、そこの研究センターへ行き、エキスパートシステムの研究者から直接、ケネディー宇宙センターにおけるエキスパートシステムの利用状況の説明を受けました。それによると、エキスパートシステムの利用はこれからのようで、スペースシャトルの発射スケジュールの管理や、NASAに集積されている膨大なデータの管理に利用する予定のようです。問題解決への応用は予定されていないようなのでがっかりしました。また、宇宙センターの制御室で、70年代後半の古い計算機が使われていることを知り、びっくりしました。その頃作られたセンターなので、今その一部を変えることが難しいのか、予算がないのか、理由は定かではありません。スペースシャトルの最終組み立て工場を見学した後、発射台に行き、来月上旬発射予定のスペースシャトルを間近かに見てきました。

<1月16日>

>JUNETとかBITNETなどのネットワークに加入されている方のIDを調べる手だてはありますか。

UNIX系のネットでは方法があるのかも知れませんが、残念ながら私も分かりません。UNIXでは、相手の姓とドメイン名が分かれば、コマンドfingerで、そのログイン名が分かるのですが、ドメイン名が分からなければ無理ではないかと思います。CMUの電子掲示板でもよくメールアドレスを尋ねるものがでています。

>ネットワークを電子メール以外に使用する機会は多いのでしょうか? 

ネットワークは大いに利用されています。近いところでは、研究グループ内でのソフトウエアの共有です。CMUのワークステーションは互いに強く結合されていて、あたかもひとつの計算機の並列処理のようです。例えば、音声認識の実験をする場合、パスを設定して、他の人のプログラムを実行形式でそのまま使用したり、他の計算機にあるデータを読み込んで処理したりします。ただし、結合が強すぎて、ネットワークがよくダウンしたりします。他の計算機がダウンするとネットワークを介してこちらも影響を受けるのだと思います。そこで計算機やプリンタなどネットワークにつながっているものは勝手に電源をきれません。年中電源がONになっています。

遠いところでは、コマンドftpを使って、他の大学などのソフトウエアをコピーしたことがあります。UNIXのネットワークがちゃんとつながっているとこのように、フリーソフトウエアやデータなどが手軽に手に入ります。CMUのシステムで公式に使っているソフトウエアにもフリーソフトウエア由来のものも結構あります。UNIX系のネットワークがきちんとつながっていると、アメリカから日本の研究室の計算機を使うことも可能です。私は、東工大の計算機を使ってみたことがあります。私は、琉球大にある私の音声データを使いたいと思うことがしばしばありますが、現在のところ琉球大ではUNIX系のネットワークがきちんとつながっていないので、これができません。今後、これができるようにする必要があると思います。

>どうやって米国から日本語メールを送っているのですか?

私はAXパソコンのMicrosoftWorksのワープロと通信ソフトを使って、電話回線を介して研究室のワークステーションを操作して、メールを送っています。ボーレートは2400です。普通の通信ソフトとモデムがあれば可能と思います。ただし、通信ソフトは、JIS漢字が扱えるものでなければなりません。もちろん実際のメールは、UNIXのコマンドmailを使います。ワークステーションのRSC232C端子とパソコンのRSC232C端子とを結合して、パソコンを端末にして、コマンドmailを使ってみると以上のことを確認できます。私も出発前そうやって確認しました。

>AXパソコンは重宝しますか?

私は出発前、IBM-PCコンパチのAXパソコンで、IBM-PC用のソフトウエアやハードウエアを試してみようと思いましたが、現在までのところそういうチャンスはありません。ピッツバーグには大きなパソコン屋がないので、特殊なソフトウエアやハードウエアはまだ見ていません。また大学では、ワークステーションが主体ですので、ハード、ソフトともにパソコン用はあまり見かけません。一般のパソコン通信にアクセスしてみれば、フリーのパソコン用ソフトウエアが沢山手に入ると思いますが、忙しいのと、アクセス料が高いのとで、あまりアクセスしたことがありません。従って、パソコンを日本語端末として使うだけならば、AXパソコンにこだわる必要はないと思います。ただし、フロッピーでデータの交換をするのであれば、IBMコンパチがいいと思います。