「子供博物館」は、「文化、科学などに関する子どもたちの興味や関心を高めるため、実験、実習、創作活動などの機能に重点を置いた社会教育施設」でした。1954年から1966年まで存続し、「沖縄少年会館」の設立により、その機能は移転されました。
子供博物館は、久茂地小学校の近くの丘の上に建つビルで、いかにも宇宙をめざす研究所というような風ぼうをしていました。私は小学生のころその近くでよく遊んだものです。
子供博物館のプラネタリウムは、沖縄で唯一のもので、そのスクリーンはドームでなく組み立て式の巨大な傘でした。また天体望遠鏡は沖縄で最大の口径でした。月面と土星の輪を観測して、天文学者ガリレイが見て考えたことを追体験することができました。
子供博物館は、科学への夢を育む希望の博物館でした。私たちにとって、小中学生のころにその後の人生を考えるための重要な施設でした。
文献:沖縄県立博物館・美術館,博物館紀要, No. 16, pp. 95 - 104 (2023)
https://okimu.jp/userfiles/files/page/museum/issue/bulletin/hakukiyou16/07_Hokama.pdf