(沖縄タイムス2026年1月23日茶飲み話)
混声合唱団のコンサートに参加した。戦後80周年を記念して、県立博物館美術館のプロムナードで「平和の響き」を歌い上げた。平和を象徴する空、故郷、花、青春、家族を題材にした合唱曲集だった。
曲目「苔の花」では、焼けて失われた故郷に平和がよみがえり、森を流れる小川のせせらぎに、苔の花が咲いている、という情景が目に浮かぶ。「ハナミズキ」は、アメリカの同時多発テロの時、ニューヨークにいた友人に向けて、涙ながらに書き上げられた詩だ。歌いながら、私も目頭が熱くなってきた。「平和の種」は、沖縄出身の瑞慶覧尚子さんが作曲した、まさにコンサートのテーマを表す曲だ。沖縄から世界に向けて平和を発信していこうという気持ちが込められている。
「はっか草」は、はっか草に託した母の教え、そして家族のきずなを歌った曲だ。私は、平和のありがたさを胸で感じ、歌っているときだけでなく、録音を聞いたときにも目頭が熱くなった。
戦争を生き抜いて、私たちに命をつないでくださった父母と妻のご両親に、感謝をこめて歌った。まさに「ぬちどぅ宝」(いのちこそ宝)なのだ。父母の教えと家族を大切にしようと思った。
コンサートには、私の子や孫はすべて、また親戚・友人たちも来てくれた。とりわけ、車いすの孫娘が参加できたことは、何ごとにも代えがたく、うれしかった。この子は、歌詞のフレーズの中に自分の名前をみつけ、その喜びを表現してくれたのだ。
(那覇市 音・話ことばの実験室 73歳)
新聞では「きずな」ー>「絆」、「戦後80」ー>「昨年10月戦後80年}
